なぜイギリスからすごいロックバンドが続々と生まれたのか

LINEで送る
Pocket

ビートルズ、レッド・ツェッペリン(ゼッペリン)、ローリング・ストーンズ、クイーン…などなど、すごいロックバンドが続々と生まれる(生まれた)のか。

その理由は、イギリスの飯がまずいから、だと思う。

以前、何年か続けて、年に1、2回はイギリスに出張に行っていたことがある。今から10年以上前だが、ややうまい店も生まれ始めていた。今はもっとおいしくなってるとも聞く。

だが、そのころは、中華かインド料理に行く、というのが鉄則で、それ以外においしい(あるいはまともな)ご飯を食べる方法がなかった。ロンドンでそれだから、地方に行ったらもっとひどいことになる。ちなみに、当時はロンドンほど、ホテルの値段が高くて料理がまずくて部屋がぼろい都市はない、というのが定説だった。

ある地方のゲーム会社を訪ねた時、わざわざ日本から来てくれた、ということで出されたランチが、新聞紙にくるまれたカレー弁当だった。が、具らしい具も入っておらず、お世辞にもおいしいとは言えず、見るからにみすぼらしいものだった(失礼!)。

が、彼らは「これがうまいんだよー!」みたいに出してきたときに、自分は悟った。

バンドに限らず、クリエイティブな才能がイギリスでチームとしても花開くのは、飯がまずいからだと。

日本人なら、ランチでも、さらには夕食でも、どうやってもおいしいものが食べられる。日本は、本当に、なんでもおいしい。安いものでもおいしい。これは世界的なレベルで見て、かなり間違いないと思う。

だから、1ヵ月とか2ヵ月とか、継続してクリエイティブな作業を続ける際に、日々、下手をすると、毎日食事のたびに、満足感や喜びが得られてしまう。

今日はここまでやって、大変だったな、軽く一杯飲んで帰るか、で、居酒屋に行って、ビールを飲んで、焼き鳥食って…、でも焼き鳥もお通しも締めのお茶漬け、そばもうまい。だから、そこで満足してしまう。

だが、イギリス人はクリエイティブが完成するまで、満足が得られない。だから、クリエイティブなモチベーションが持続する、のではないか。それに代わる満足感が、日々自動的に得られるような構造が、社会の中にないのだ。飯がまずいという素敵な要因で。だから、サッカーとビールがそれを一手に引き受けているのかもしれない。

筆者はイギリス人とは仲良くなれる自信がある。

そもそも、イギリス人は、飯を食べない。これは驚くべきことだが、ホントに食べない人がかなりいる。1ブロックごとにパブがあって、昼間からサラリーマンっぽ人でも飲んでいるのに、基本的に料理はない。ポテチみたいなスナックが買えたりするが。ごく短い時間だけ、たいしてうまくもないフィッシュ&チップスを作ってたりもするが。基本は、料理を食べないし、ただひたすらビールをガンガン飲んでいる。昼間から。夜もただほぼビールしか飲んでないんじゃない? っていう人を見かける。

あるイギリスの出版社を訪ねた時も、オフィスの会議室ではなく、話はパブでしよう、ということになって、まっ昼間からパブに行った。そこでは、ほかの編集者が昼間から飲んでいた(おそらく会議なのだろう)。パブのどこかでケンカが始まったが、それはその出版社の編集者だった。万時がそんな調子だ。(結構前の話だから、今はどうかは知らないが…)

また、イギリスのパーティー(大々的なお披露目など)では、とにかくビールを切らさない、というのが鉄則で、そのかわり料理はほんとになかったりする。日本では考えられないことだが、本当にそうだった。ちょっとしたつまみ(クラッカーに何か載せたもの)くらいしか出ない。量も少ない。が、ビールだけはガンガン出るのだ。

ビールが栄養源だから、おそらく彼らには、ビールのうまさが、日本人がお米のうまさにこだわるくらいのこだわりがある人はいる可能性がある。だけど、ただ酔っ払って、味覚もよくわからなくなっている人もいると思う。

日本人なら、明日はあのランチを食べようとか、夜飲んでいたら、あれとこれ、こっちのも頼もう、ということで、何らかの自分なりの工夫や注文をして、結果よかった、わるかった、という結果が得られるのだ。日本はだいたいがおいしいから、まずいならまずいで、話のネタにもなる。イギリスにはそれがない、気がする。

不思議なのは、ヨーロッパ大陸の向こうには、フランスやイタリア、スペイン、ドイツも、みんな飯はうまいってことだ。イギリス人は、日本と同じ島国で、同じように大陸から端っこに飛び出ていて、言葉や文化も、少し大陸とは違う、特殊な感じがする。それが伝統的なものではない、産業革命以降の新しい文化を生み出すことになった気はするが、日本との大きな違いは飯、というか食文化かもしれない。

ちなみに、昔毎週NEWSWEEKっていう週刊誌を購読していた時期があるが、そこでイギリス人のコラムニストが、いわゆる日本の”失われた10年”で、日本のもので驚くほどよくなったものがふたつある、と書いていた。それは、サッカービールだと。ものすごく納得する話だった。それも10年くらい前の話かもしれない。

LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です